画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

グループ展、麻布十番のパレットギャラリーにて明日からです!

明日から、麻布十番パレットギャラリーにて、グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『アートで聴く音楽 ジャケットアート展Ⅳ』」がはじまります。今回はそのご案内です。ぜひお出かけくださいませ。


  パレットギャラリーは、去年の年末に開催された「装丁画展」に続いて2回目のご縁です。初めてご一緒する作家さんばかり、またまた緊張します!

今回は、何らかの楽曲をレコメンし、妄想でジャケットを制作するという企画。私はジャズトリオ・Bill Evans Trioの「Alice In Wonderland」を選曲しました。曲は51年(日本では53年)に公開されたディズニー映画「ふしぎの国のアリス」のテーマソングです。同じくディズニー映画「白雪姫」の挿入歌で知られる「Some Day My Prince Will Come」と並んで、ジャズのスタンダードナンバーとして有名なディズニー楽曲です。

f:id:yokonaito:20170707123121j:imageサイズは21cm角で、ハートのトランプをモチーフにしたコラグラフ・モノプリントです。テーマは「ハートの女王様の強権」。

最近は、テレビをつけると「このハゲ〜〜!」との罵声が頻繁に放送されていて、いかに世がヒステリーに支配された「不思議の国」かがよくわかりますね。

ーー

いろいろネットで調べていると、このディズニージャズを普及させたのは「Take five」で有名なデイヴ・ブルーベック(The Dave Brubeck Quartet)だそう。私は変拍子がとても好きで「Time Out」のトルコ風ブルーロンドも候補に考えていたので、せっかくだからブルーベックのものにしようか悩んだのですが、ビル・エヴァンスの演奏がかわいすぎて…。


Bill Evans Trio - Alice In Wonderland (Take 2)

映画「ふしぎの国のアリス」は子供の頃大好きでした。この作品は、同じくディズニーの「ダンボ」などと並んで、実は酔っ払って(ラリって)見ると大人でもサイケで楽しいと話題に。曲も映画も、まだまだ楽しめそうですね。

 

『アートで聴く音楽 ジャケットアート展Ⅳ』

 

 


◉展示情報

 ❣️これから❣️

🔷 7月8日(土)~17日(月)|グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『アートで聴く音楽 ジャケットアート展Ⅳ』」1点参加・PALETTE GALLERY パレットギャラリーhttp://palette-gallery.jp/

🔷 7月17日(月)~22日(土)|グループ企画「T-BOX MIX展、前期」点数未定・T-BOX(八重洲)

🔷 7月21日(金)~28日(金)|グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『わたしの中の村上春樹イメージと創作』」1点参加・ギャラリー枝香庵(銀座)

http://echo-ann.jp/exhibition.html?id=311

🔷 8月5日(土)・8月6日(日)15:00-20:00|イベント出展「ホテルアートフェス Hotel Art Fes」客室装飾の公開と室内での小展示・パークホテル東京1日券2,000円(税金込、アートカクテル1杯付き)http://parkhoteltokyo.com/event/hotelartfes/

🔷 9月12日(火)~9月22日(金) |グループ企画「*** 漱石山房記念館開館 *** 美術を愛した 漱石に捧げるアート展」1点参加・Art Mall アートモール(銀座) 

 


 

コレクター三浦徹さん宅を訪問/人人会サイトでフリーライター山田歩さんの連載開始

暑くなってきました。

展示のお知らせ、人人会の更新情報、さらに今月末までが会期の「三浦徹コレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ』神戸わたくし美術館」を訪問させていただいたので、レポートさせていただきたいなぁと思います。

 


◉展示情報

❣️現在開催中❣️

🔷 4月1日~6月30日|三浦徹コレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ』神戸わたくし美術館

❣️これから❣️

🔷 7月8日(土)~17日(月)|グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『アートで聴く音楽 ジャケットアート展Ⅳ』」1点参加・PALETTE GALLERY パレットギャラリーhttp://palette-gallery.jp/

🔷 7月17日(月)~22日(土)|グループ企画「T-BOX MIX展、前期」点数未定・T-BOX(八重洲)

🔷 7月21日(金)~28日(金)|グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『わたしの中の村上春樹イメージと創作』」・1点参加・ギャラリー枝香庵(銀座)

http://echo-ann.jp/exhibition.html?id=311

🔷 8月5日(土)・8月6日(日)15:00-20:00|イベント出展「ホテルアートフェス Hotel Art Fes」客室装飾の公開と室内での小展示・パークホテル東京1日券2,000円(税金込、アートカクテル1杯付き)http://parkhoteltokyo.com/event/hotelartfes/

 

上記のように、夏にかけて開催されるグループ企画の詳細が出揃ってきています。華やかな企画が多くやや緊張しますが、頑張って新作を作っています。何卒よろしくお願いしますm(_ _)m 

  


私の絵をコレクションしていただいているコレクター・三浦徹さんがコレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ』開催してくださいました。会場の神戸わたくし美術館は、もともと旅館だった建物で、三浦さんのご自宅でもあります。

応援してくださるのみならず、このように公開までしてくださるということは大変光栄なこと。湘南から神戸まで飛行機で日帰りという強行スケジュールで、なかなか体がバキバキになりましたが、伺えてほんとうに良かったです。

 f:id:yokonaito:20120622190757j:plain

私の作品の他に、具体美術協会に72年の解散まで参加していた堀尾貞治さん、堀尾昭子さんのコレクションも鑑賞できます。逆光で真っ暗ですが、左下の写真に写っています。

f:id:yokonaito:20120622205527j:plainf:id:yokonaito:20120622195139j:plainf:id:yokonaito:20120622194429j:plain

陶器のコレクションも圧巻。三浦さんは陶芸の腕前もプロ!で、2012年には銀座のギャラリー枝香庵で個展が開催されました。

f:id:yokonaito:20120622192426j:plain

素敵な廊下です!

f:id:yokonaito:20120622192357j:plainf:id:yokonaito:20120622191841j:plain

ドア窓にさりげなく設置してあるのは堀尾昭子さんの作品だとか。

f:id:yokonaito:20120622190809j:plain

最近のものが窓際にありました。

 

三浦さんは婦人科系のがん専門の元産婦人科医で、病院に院内助産所を設ける試みをした方としてメディアに取り上げられています。(ちなみに本稿も朝日新聞の記事を参考にしています。*1産婦人科助産院というのは基本的に別々の施設となっているのですが、三浦さんは医師の立場から病院内に助産院を設けるよう働きかけたようです。確かに、私も息子は産婦人科で産んだのですが、助産院で産んだ友人もいました。お産の方法もいろいろ選ぼうと思えば選べるのですが、「お医者さんの指導が安心」と消極的に産婦人科を選んでしまいがち。でも、お産は人間の根源的な積極性があらわれる場なんですよね。

三浦さんのお話やコレクションからは人が「うむ力・うまれる力」を絶対的に信頼するという独自の哲学を感じました。今は引退されていますが、大変エネルギッシュな方で77歳まで現役でお仕事をされていたそう。生命感みなぎるアートコレクションはそのパワーの原動力となっていたとのこと。20歳のころから10年以上お世話になっている方ですが、やっと三浦さんのお仕事や活動の一端が理解できたような気がしました。

↓こんな変な絵をカラーで載せてくださった神戸新聞さまにも大変感謝です!

 f:id:yokonaito:20170621205701j:plain

 

 


人人会のサイトも更新しています。

5月末からホームページ上で人人会関連作家の活動紹介をすることになり、それに連なる企画として「あるくの从作家見聞記」を連載することになりました。山田歩(あるく)さんが、会関連作家の展示をたずね歩き、見聞記を書いてくださるそう。山田さんは新聞などの媒体を中心に文化欄などで執筆活動をされているフリーライターで、編集者でもあります。

適度な距離感を保ちつつ、未知な作家や展示に歩み寄っていく中でのワクワク感があり楽しい文章です。山田さんの人柄や文章力もさることながら、「評者」というよりも取材者、ルポライターの眼差しの妙なのかもしれませんねぇ。

第1回目がもうすでにアップされています。

hitohitokai.org


 

予定やお知らせ諸々/人人会と「なんでも鑑定団」

ご無沙汰な更新となっております。
息子が幼稚園に通いだし、必要以上にテンパってしまいます。
通っている当人はドッシリしているのに…情けない!
 
今展示中の「三浦徹コレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ』神戸わたくし美術館」は来月いっぱいの会期となっており、来月の下旬に(日帰りですが)伺ってみようと思っています。
もし、神戸にお住まいの方がいらっしゃいましたら、在館日をお問い合わせください。
 
 いろいろとコマゴマしたお知らせがありました。
 1ヶ月も空いてしまうと、忘却の彼方にいってしまったものもござます。とりあえずこれからの予定と、最近のお知らせを記しておきますので、何卒。
 
🔷4月1日〜6月30日|三浦徹コレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ』神戸わたくし美術館
🔷7月21日〜28日|グループ企画1点参加・ギャラリー枝香庵
🔷7月|グループ企画1点参加・パレットギャラリー
🔷8月5日〜6日|イベント出展予定・パークホテル東京
🔷10月16日〜21日|個展・ギャラリーT-BOX
 
夏までに、グループ展示が追加されるかもしれません。
 
 

かなり前ですが、私が所属し、ウェブサイトなどの運営をしている「人人会」のホームページを更新しました。

🔸人人会 | 公募団体「人人会」の公式ホームページです!

美術の窓』2017年5月号の公募展だよりコーナ、『東京民報2017年4月30日・5月7日合併号』が前回の展示を取り上げてくださいました。
 
それとは別に、テレ東の番組「なんでも鑑定団」にて中村正義の第一回人人展の出品作がとりあげられました。
会の人間も誰も知らず、私も知らなかったため、友達からの連絡で知りました。ちなみに本物でした。
鑑定結果300マン(!)だそう。ちなみに買った時は100万円だったらしいです。
 以下、テレビ東京なんでも鑑定団ウェブサイトから
「中村正義の作品に間違いない。1972年、48歳の時の作品。52歳で亡くなっているので比較的、晩年の作品。中村正義はその時の気鋭の作家を集めた「人人会」を設立し、その一環として展覧会も継続的に開いていた。その展覧会に自分で選んで出品したのがこの作品。他の年には裸婦は見られず、大変、希少性の高いモチーフである事も間違いない…」以下略
人人展の出品作だったため、人人会が地上波で紹介(一瞬ですが)されており、人人サイトのアクセス解析をワクワクして見ていました。
結果、瞬間風速的に沢山の方が来訪されたのですが、よく考えて、SNSで「バズる」というものと桁が違うかもなぁとも思いました。そこまでの反響はなしかも?
テレビとインターネットの間には壁があるような気がします。視聴者の年代層も関係しているかもしれませんね。
 
 

そういえば、自分のサイトもリニューアルしました。
というのも、使っていたCMSが突然サービスを止めることとなってしまったようで、仕方なく引っ越すことにしました。もともとドメイン含めて年間30ドルくらいで運営していたのですが、tumblrにしたらドメイン以外タダじゃん!
jimdoやwixなどサービスを使ったサイトもたくさん見るのですが、実はsnsっぽいtumblrでも同じく静的なサイトが作れます。関数(っていうんですかね?)は独特のものがあるのですが、フリーのテンプレートを改変するぞ!というくらいならば、そこまでサイバーなかんじの人じゃなくてもできるきがします。なにせ私がやっているんですから。無料で独自ドメイン使えることがなにより良いです。
 
もう簡単なウェブサイトだったら年間千円前後で運営できる、すごい時代ですねぇ。
 
オンライン・バカ -常時接続の世界がわたしたちにしていること-

オンライン・バカ -常時接続の世界がわたしたちにしていること-

 

 上記の本によれば、1985年以前に生まれていれば、インターネットがある時代とない時代の両方を知っていて、それより若い世代はインターネット以前の地形の中で暮らしたことがないらしい。

ネットがなかった時代を知る人がいなくなると、どんな世の中になるしら。

私はちょうど85年生まれなので、最後の二股世代だな!

作者のマイケルさんは80年生まれか。もうちょっと年上の人かと思った。

 
 

「第17回リン版画工房展」出品中、4月30日(日)まで / 平塚市美術館の展示見聞録。また劉生さん。

4月に入ってから、私事で大変バタついておりました。

もう一昨日から始まっているのですが…お世話になっているリン版画工房の展示に今年も参加させていただけるとのことで、旧作1点出品しています。

リン版画工房には、教室の空席に潜入できるチケット会員というシステムがあります。

本当は新作を作りつつ工房にもお邪魔したかったのですが、叶わず。3月の人人展に出した版画の大作を出品しています。

 

「工房会員全体展 17th」版画ワークショップ会員作品

2017年4月25日~4月30日 9:30~16:50

{初日13:00~。最終日16:00}

会場:平塚市美術館 市民アートギャラリー 

 f:id:yokonaito:20170426134015j:image

平塚美術館では「リアル(写実)のゆくえ 高橋由一岸田劉生、そして現代につなぐもの」という企画展が開催されていました。せっかくなので、観覧。

貸し出されていたものの中にはよく再会する作品もありました。個人的に神奈川近代美術館と、国立近代美術館は、美術の大型施設の中ではかなり通っている部類なので…

自分にとって馴染み深いものだと靉光の作品ですが、写実回帰の文脈で飾ってあると、なんだか新鮮な気もします。

 

個人や社会・世界の実在性の揺らぎ、不信感が現代的な視点とされる中で、写実や具象は美術史に組み込まれにくくなっている〜云々(うろ覚えなので多少違っていたらすいません)。思想にも、そういった不確実性は棚上げしてしまおうという文脈があるのですから、美術もその内部でジャンルが乖離してくるのかもしれませんねぇ。

ともあれ、とても迫力がある作品ばかり。現代作家の作品もギョッとするほどリアル。確かに現実の視覚と相関関係にはあるのだろうけど、それは写真のそれとは全然違う!遠いどこかの風景…というより、すぐ眼前にあるようなかんじ。

 

「リアル(写実)のゆくえ 高橋由一岸田劉生、そして現代につなぐもの」

「移入され150 年を経た写実がどのように変化し、また変化しなかったのか、日本独自の写実とは何かを作品により検証し、明治から現代までの絵画における写実のゆくえを追います。」とのこと

開館時間 9:30 ~ 17:00(入場は16:30 まで) 休館日 月曜日

平塚市美術館

 

展示告知『内藤瑶子の世界Ⅱ三浦徹コレクション』・その他いろいろお知らせ

今回は、3点ほどお知らせがあります。
🙆‍本日で『私の、意中の画家 』@銀座屋上ギャラリー枝香庵 8Fが終了しました。
🙆‍コレクション展『内藤瑶子の世界Ⅱ三浦徹コレクション』が4月1日からはじまります。
🙆‍人人会のホームページにて、「第41回人人会」のレポートを掲載しました。
 

『私の、意中の画家 』は、オープニングパーティも兼ねたギャラリートーク松本竣介を語る」梅野亮(梅野記念絵画館運営委員)にも参加しました。肝心の松本竣介話、いろいろバタバタで聞けなかったような気もしましたが😅
質疑応答ふくめ、とても盛況な様子でした。
梅野さんがお話していた、絵を描く上で画面に現れてくる精神性など、絵と描き手の関係に関するトピックが印象に残りました。この国では特に表現主義的な探求が素朴に信用されているし、心象風景はとても人気があるジャンルなんだなぁ、とよく思います。
 
特に、表現主義は「青年期の芸術」とされる。あらゆる抑圧に歯向かって、より極端な心象ブチカマシへ突き進むのは青春の特権!!なんでしょうね。だからこそ、逆に「老年期の表現主義」が気になってくるんですけど、、
 

 前の段落と関係しているような、していないような…
『内藤瑶子の世界 Ⅱ 三浦徹コレクション』はコレクターである三浦さんが集めてくださった沢山の絵、私の10代・20代の作品を展示してくださるそうです。
ほんとうにありがたいお話です。会期中、自分も神戸に伺おうと思っています。
 
 f:id:yokonaito:20170328214604j:imagef:id:yokonaito:20170328214603j:image
なぜこれを描こうと思ったのか。。そしてどうして人に見せようと思ってしまったのか。。
疑問に思ってはいけないのかもしれないが、多いに謎である。。
 
 
『内藤瑶子の世界Ⅱ三浦徹コレクション』
会期:2017年4月1日(土)〜6月30日(金)
場所:神戸わたくし美術館(ただし、観覧は要予約のようです。ご注意ください)
電話/FAX: 078-621-0366
 

 


人人展のレポートも去年に引き続き更新することができました。↓

hitohitokai.org

 

レポートの他に、3月2日に開催した都美術館講堂での中村正義映画上映会にちなんで、1974年前後の中村正義や人人展・東京展と都美術館とのいきさつを簡単に概説しました。

先日、都美術館の紀要に「美術館としての都美術館」をテーマにした論文が載っかっているのをネットで発見。中村正義の美術館解放運動も引用されていました。他の引用文献も面白そうで、他の資料もチェックしてみたくなりました。*1

 人人会については、私の個人的な興味により勝手に調べていたりすることが多々あるのですが、ウェブサイトはあくまで見に来てくださる方や、関係する方々をとりまくコミュニティの財産になっていったらいいなぁ〜と思っています。

尾藤さんの特陳もとても見応えのあるものになっていたので、良い方向に転がってくれるといいなぁ!

 

*1:山村仁志「東京都美術館の特質と課題―様々な個人を生かすしなやかな容器(うつわ)」『東京都美術館紀要』 No.22 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団

http://www.tobikan.jp/med…/pdf/h27/archives_bulletin_h27.pdf 

ここでとても参考になったこと。アンデパンダンからの流れや、東京展廻りを追っていると、針生一郎さんばかり読むことになってしまうんですが、瀬木慎一「東京都美術館は美術館か」というラインもあるんだなぁ〜という点。誰の得になる情報かわからないんですけど、いちおう。。

グループ企画のお知らせ『私の、意中の画家 』@ 銀座屋上ギャラリー枝香庵8F

遅ればせながら「第41回人人展」たくさんのお客様にご来場いただきました。
また、いろいろな方々にご協力いただきました。来て頂いたお客様、出資いただいたギャラリーの方々、作品をお貸しいただいた諸機関・関係者の方々にあらためてお礼申し上げます。

人人会のサイトでも、展示レポートもおいおいアップいたします〜

 --

が、とりあえず目下進行中の展示告知をば!

3月20日(月)から、銀座のギャラリー枝香庵(えこうあん)にて行われる『私の、意中の画家 』に版画作品新作一点出品予定でございます。

30人ほどの画家が、それぞれのルーツとなる作家をフィーチャーして作品を制作・展示する、いわゆるオマージュを主にしたグループ企画だそう。私は、大正から昭和期にかけて活動した画家・長谷川利行をとりあげました。

--

実は10年ほど前(2006年)にも、ちょうど不忍画廊の所蔵となった「水泳場」が羽黒洞にて初出した「長谷川利行展」会場の片隅で、先輩の田端麻子さんと「オマージュ長谷川利行二人展」と題したミニ企画をやらせていただいたのでした。この作品は、先週の日曜美術館でも大きくあげられていましたね。*1

--

そもそも私が絵をはじめたきっかけが、中学生の時(2000年)に今はなき鎌倉の神奈川県立近代美術館で開催されていた長谷川利行の大回顧展でした。いろいろ転じて長谷川利行作品の行く末を間近で見ることができる状況に、本当に満足してしまいそう。

充足してしまったら最後、もう新しい絵なんて描けなくなってしまうんですがね(^◇^;)

 

f:id:yokonaito:20170319093343j:plain

f:id:yokonaito:20170319092940j:plain

『私の、意中の画家 』

会期:2017年3月20日(月)-3月27日(月) 11:30~19:00(日曜日、最終日は17:00まで)

会場:銀座屋上ギャラリー枝香庵 8F(えこうあん)

〒104-0061 東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F Tel 03-3567-8110
東京メトロ丸ノ内線/銀座線/日比谷線銀座駅 C8出口1分
東京メトロ銀座一丁目駅(有楽町線) 8番出口5分
◎JR有楽町駅(山手線/京浜東北線) 5分
ビル左横の細い通路を入りエレベーターでお越しください

 

*1:

日曜美術館 - NHK

このブログにもとても詳しく書かれていました!

長谷川利行の大作「水泳場」の行方 - mmpoloの日記

「第41回人人展」関連企画:記録映画上映会『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』のおしらせ

前回のエントリに続き、「第41回人人展」のセンデン!

ーー
展覧会初日、3月2日人人会創立においての中心的人物・中村正義にまつわるドキュメンタリー映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』を東京都美術館講堂にて上映会イベント(しかも無料らしい!)を行います。
上映前に作監督の近藤正典さんをお迎えし、人人会会員で中村正義の研究もされている大野俊治を交えての簡単な挨拶も予定しています。
 
  • 日時:3月2日
  • 時間:開場14:15~、開演の挨拶(近藤正典+大野俊治)14:30~15:00、上映15:00〜16:40
  • 場所:東京都美術館講堂にて
  • 入場無料


映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』予告編

f:id:yokonaito:20170221234023j:plainf:id:yokonaito:20170221234402j:plain

 ーー

ここからは私の勝手な解説おば。

志半ば52歳でこの世を去った中村正義。この映画は彼の芸術作品を考察・解釈するものではありません。苛烈に生きた画家が何を求め、何を恐れ、何を愛したのか、人間・中村正義、その生きた時代を描くものです。公式サイトより抜粋)

この映画が、中村正義の人間像を考察するような視点を持っていることは、とても喜ばしいことだなぁと思いました。
 
中村正義による芸術作品の解釈・評価は、評論家の針生一郎によるものが広く知られています。また2012年に行われた練馬区立美術館『日本画壇の風雲児、中村正義-新たなる全貌』図録などには、彼の写楽に関する研究、山水画に対する関心などが挙げられていて、中村正義が画家として多くのトピックを追求していたこと紹介されています。
ちなみに、中村正義さんはプレハブ住宅についての特許も取っているらしい。中ザワヒデキさんかよ!
 
一方で「反骨の画家」とずっと喧伝されてもいるのだが、それがどのような「反骨」批判精神なのかということは、あまり掘り下げられてこなかった印象もあります。(あくまで私の個人的なもので恐縮ですが、、)そもそもの批判対象が既存の「芸術・美術」を相手取ったものが多いので、当然のことながら既存の枠組みからその批判を解明していくこと、背景を遡ることは難しいことなのだと思います。
 
東京都美術館を解放する運動や東京展の開催、勲章や芸術院会員などの制度に対する批判、師弟制度やアカデミズムなどの権力に対する批判。また一方で、アマチュア芸術(マージナルアート・限界芸術)への接近、またアナーキスト風情でもあり…とパッと見、鶴見俊輔ばりの思想を展開している。
 
この人の面白いところは、むしろここらからではないかと私は思っています。
 
興味がある方はこの機会にぜひ!お待ちしております。
 

↓前回は展示の詳細・特別陳列などのことも紹介しました。

↓オフィシャルサイトにも、情報を載せています〜

hitohitokai.org

f:id:yokonaito:20170221234402j:plain