「第41回人人展」関連企画:記録映画上映会『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』のおしらせ
前回のエントリに続き、「第41回人人展」のセンデン!
ーー
展覧会初日、3月2日に人人会創立においての中心的人物・中村正義にまつわるドキュメンタリー映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』を東京都美術館講堂にて上映会イベント(しかも無料らしい!)を行います。
上映前に本作監督の近藤正典さんをお迎えし、人人会会員で中村正義の研究もされている大野俊治を交えての簡単な挨拶も予定しています。
志半ば52歳でこの世を去った中村正義。この映画は彼の芸術作品を考察・解釈するものではありません。苛烈に生きた画家が何を求め、何を恐れ、何を愛したのか、人間・中村正義、その生きた時代を描くものです。(公式サイトより抜粋)
この映画が、中村正義の人間像を考察するような視点を持っていることは、とても喜ばしいことだなぁと思いました。
中村正義による芸術作品の解釈・評価は、評論家の針生一郎によるものが広く知られています。また2012年に行われた練馬区立美術館『日本画壇の風雲児、中村正義-新たなる全貌』図録などには、彼の写楽に関する研究、山水画に対する関心などが挙げられていて、中村正義が画家として多くのトピックを追求していたこと紹介されています。
ちなみに、中村正義さんはプレハブ住宅についての特許も取っているらしい。中ザワヒデキさんかよ!
一方で「反骨の画家」とずっと喧伝されてもいるのだが、それがどのような「反骨」批判精神なのかということは、あまり掘り下げられてこなかった印象もあります。(あくまで私の個人的なもので恐縮ですが、、)そもそもの批判対象が既存の「芸術・美術」を相手取ったものが多いので、当然のことながら既存の枠組みからその批判を解明していくこと、背景を遡ることは難しいことなのだと思います。
東京都美術館を解放する運動や東京展の開催、勲章や芸術院会員などの制度に対する批判、師弟制度やアカデミズムなどの権力に対する批判。また一方で、アマチュア芸術(マージナルアート・限界芸術)への接近、またアナーキスト風情でもあり…とパッと見、鶴見俊輔ばりの思想を展開している。
この人の面白いところは、むしろここらからではないかと私は思っています。
興味がある方はこの機会にぜひ!お待ちしております。