画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

展示が終了。そしてまた別の場所ではじまり。京橋のギャラリーT-BOXにて

昨日で『アートで聴く音楽 ジャケットアート展Ⅳ』が終了いたしました。

見にきていただいたお客様、関わってくれた方々に感謝申し上げます。視聴できるようにしたり、キャプションやレイアウトなどなど、とても根気強い準備を要する展示だと思います。心をこめて展示を作っていただいたギャラリーの方々にも、改めてお礼申し上げます。


 

そして、また別のグループ企画『T-BOX MIX展、前期』に昨日からスタートしてます。こちらの出展に関しては、DMにも記載されていないし、やや友情出演的なかんじになっております。「前進!」という展示コンセプトにもかこつけて、版画の立体化に挑戦しました。型に焼き石膏を流し込むと同時に版を刷りとる「石膏刷り」という手法で、ぐにゃぐにゃの型に版を貼り付けて刷っています。

版画を立体にしようとするとき、版画のプレスによる平面性とは違った局面が出てくる...出てくると面白いなと思って作っています。まったく予想だにしないものができてくるので、自分も「これでいいのか…?」という印象のまま飾っています。(⌒-⌒; )

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しかし、なぜ石膏が固まる時に版画を密着させておくと刷れるのか?

設楽知昭さんという作家さんが1985年に発表した論考「石膏刷り(plaster-prlr・Itlng)1)の研究」に詳しく載っていて、以前から参考にしていました。 去年の冬、不忍画廊で開催されていたこの方の展示をたまたま拝見して、このテキストの著者だったことに気づいてびっくりしました。

焼石膏は、水と混練すると、直ちに反応して下にあるような反応を起す。熱を発し、水和しながら、微細な針状の結晶を無数にっくり、それぞ れが交錯して硬化体になる 。結晶の隙聞は、細かい不規則な毛細管で出来ており、硬化と同時に 、 急激に成長するこの毛細管は、その表面に触れる水分や、油脂分、微粒子を吸い取る 。 この作用を利用し、版面にあるインクを転写し定着させるのが石膏刷りである 。石膏刷りは、溶いた石膏を直 接版面に流し込んで硬化させ、プレスを使わず、 版のありょうをそのまま写しとる方法である。(『 大学版画学会会報17』1988年、6頁。http://cuapsj.org/wp/wp-content/download/journal/JournalNo_17.pdf

昨日のオープニングで、他の出品者の方々に水溶性インクのものが印刷できるかときかれたのですが、たぶん石膏から出る水分でインクが溶けてしまうので難しいかもなと思います。でも、説明を読んでいると、水分や微粒子でも吸いとるので何かしらは刷りとれるのではないでしょうか?

「 T-BOX MIX展 前期」

会期: 2017年7月17日(月)〜7月22日(土)

時間:11:00〜19:00(最終日は16:00まで)

会場: ギャラリーT-BOX【SpaceAB】

〒104-0028
東京都中央区八重洲 2-8-10
松岡八重洲ビル3F
TEL/FAX: 03-5200-5201

 


◉展示情報 ❣️これから❣️

🔷 7月17日(月)~22日(土)|グループ企画「T-BOX MIX展、前期」点数未定・T-BOX(八重洲)

🔷 7月21日(金)~28日(金)|グループ企画「髙橋千裕・御子柴大三・山本冬彦の推薦作家による『わたしの中の村上春樹イメージと創作』」1点参加・ギャラリー枝香庵(銀座) http://echo-ann.jp/exhibition.html?id=311

🔷 8月5日(土)・8月6日(日)15:00-20:00|イベント出展「ホテルアートフェス Hotel Art Fes」客室装飾の公開と室内での小展示・パークホテル東京1日券2,000円(税金込、アートカクテル1杯付き)http://parkhoteltokyo.com/event/hotelartfes/

🔷 9月12日(火)~9月22日(金) |グループ企画「*** 漱石山房記念館開館 *** 美術を愛した 漱石に捧げるアート展」1点参加・Art Mall アートモール(銀座)