画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

謹賀新年/近況と読んだ本。ヒトラーと京都学派。

もうこれを書き終わる頃には、新しい年がはじまっているような気がする。
いろいろな展示があまりにも立て込んでしまったため、なかなか更新に至らず。宣伝もあってブログ開設しているのに、本末転倒です!


今年も沢山の方々にお世話になりました。
この感謝を適切に表現するならば、もうアカデミー賞の受賞スピーチばりの大仰なものとなるでしょう!が、ともかく内藤を気にかけてくださった方々に改めてお礼申し上げます。


もう年賀も貼っちゃおう。
2019年も何卒よろしくお願いします。

 

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最近、ヒトラーが死ぬ直前に摂取していたドラッグについての本が出版されたらしく、ナショナルジオグラフィックでも関連番組が組まれていました。なにしろその番宣では「ウ◯コも食っていた⁉︎」と煽っていて*1、とても気になっちゃいました。


ちなみに番組の内容は、なんというか「釣り」でした。別にウ◯コを直接どうこうしたわけではなく、大便から培養させた大腸菌を使ったお腹の薬を服用していたとのことでした。(戦時中の覚せい剤はそんなに珍しくない話題かと思います。でも面白いテーマです。)


それから急にいろいろ気になってしまって、ヒトラーに関連した映画を毎晩いろいろと観てしまい、寝不足になりました。


子供が画面に映るたびに、私の息子がこんな境遇になってしまったらどうしようと。とにかく辛くなります。
でも一方で、ヒトラーワーグナーだとか、ニーチェとかゲーテのことを語っている場面ではどこかで心を動かされてしまう自分がいます。

(ちなみに、ヒトラーは全然ニーチェを読んでなかったんじゃないか?って話も。。。)

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そういえば、最近読んで面白い本がありました。「国のために死ぬ/死なせる」という理屈について扱った本。京都学派の第1世代、田辺元という哲学者の「悪魔の講義」を読みつつ解説するというものです。 

 

京都学派自体が、アジア・太平洋戦争侵略戦争的な部分に、倫理的な側面を持たせる、言わば「侵略を正当化するためのレトリック」にかなり力を及ぼしていた!というのはよく知られているのですが、それにしてもこの田辺元という学者は、本当に、本当にスーパーエリートですよね。すごい人。

こんな人が若者を戦争へと煽っていたなんて、怖い話です。


ちなみに、この人はかの有名な九鬼周造『偶然性の問題』の元になった博士論文の審査を受け持った教官でもあるらしく、今じゃこの「偶然本」を執筆する大きな要因になった、なんて言われたりしてます。*2

 

こういう思想の熱さや深さと、薄ら寒い軽薄さ、きな臭さって紙一重ですね。それがよく表現されている本です。


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それにしても、この著者・佐藤優さんは月刊ベースで本を出している、という印象で、いまだに何屋さんなのかよくわからない。
おじさん向けのハウツー本を書いているのかと思いきや、ウェルベックの解説を書いていたりする。 なぜか上の本と同時期に読んでました。

服従 (河出文庫 ウ 6-3)

服従 (河出文庫 ウ 6-3)

 

 

話は『素粒子』のほうが面白かったかも。


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京都学派といえば、まずこっちをゲンナリさせる文体 + オリジナル難解用語。
しかも、実存・生の哲学プラグマティズム現象学……etc、当時勃興していた西洋思想をガッツリ組み込んでいて、それらを把握するだけでも骨が折れるどころか、さらに独自路線もあり。そして時代背景が戦中〜戦後。
その複雑さたるや、まさに白目必至。


でも、日本に生まれ育って、西洋の近代思想体系に興味を持つってことは、これは絶対通る道。なのか。
……そう感じている最近です。


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この京都学派の理論を中国の政権関係が研究しているっていう話は面白かった。
侵略戦争正当化のレトリック ≈ 急進的中央集権。たしかに形は似てる。



 


 

*1:

薬物に溺れたヒトラーの秘密|番組紹介|ナショナル ジオグラフィック (TV)

*2:でも出元わからない。。『理想』の九鬼特集とかかな。。。