画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

コロナ禍と仕事・活動記 / 青木繁ロマンティック

巷で大問題化している新コロナウイルスCOVID-19(英字名称の読み方が謎。。)ちょうど流行りはじめてから2ヶ月くらい経つはず。

丁度、ギャラリーブリキ星での個展会期中に

「何やら中国で変な風邪が流行っていて大変らしいよ?観光客がいなくて銀座が閑散!」と、作家仲間では話題になってはいましたが……

まさかこんな事態になろうとは。

 

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個展風景。自然光が入るギャラリー。いい空間です。
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展示の様子その2・楽しい思い出しかない。

 ー◇ー 

 

個展ご来場くださったお客様、人人展に駆けつけてくださったお客様、どうも有難うございました。

大変な最中にご協力していただいたみなさま、関係者の方々に感謝いたします!!

 


その後、、、毎年恒例の「人人展」が途中で中止、出演予定だったトークをキャンセルし、仕事先も軒並みカオス、息子の幼稚園卒園・小学校入学もままならず、といった具合で、様々な案件の悲しい事後処理に追われております。。。

 

 

人人展の会期は3月25日からでした。都内の美術館、公共の展示もまだやっている企画もあったり、中止になっていたり、という感じ。

都美術館では大型企画「ハマスホイとデンマーク絵画」をはじめ、6、7割がたの団体展が既に中止となっていましたが、私たちの展示の他、独立展「独立春季新人選抜展2020」が開催。「AJCクリエイターズコレクション展2020」も26日から開催していました。

しかし、会期2日目(26日)には以前より強い「自粛要請」なるものが都美術館の方から会に届き、てんやわんやに。丁度、世の中が非常事態ムードへと変調していった日で、他の公共の企画・スペースも一気に閉場しはじめているているようでした。

 

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第45回人人展、こんな感じで展示したものの、3日で閉幕💧

 

そもそも「自粛要請」って何なのか。

 我々人人会はプロの企画屋さんでもなく、作家運営で、しかもその名のとおり「人と人を横に並べる」というコンセプトの相互互助団体なので、指揮・命令系統がありません。

都の要請は「土日の外出自粛要請」。今すぐ閉じたほうがいいの?それとも週末だけ?週明けは開館という事なのか!?

「自粛要請」の意図が汲めず、30人以上もいる出品者にどう説明・相談したらいいのか、その場にいた人間で、しばらく悩む事になりました。

 

「絶対展示を開けてやる!」とゴネるためではなく、一緒に展示している方々に状況を正確に説明するために「できればこーしてほしいのですが、如何でしょうか。」と率直に、具体的に言って頂いたほうが正直楽。

 

でも想像に難くない。行政のトップの方から脈々と「自粛」という伝言が降りてきていて、誰もが「よくわからないけど、自粛要請だって。どー思います?」と伝えるしかない。そして私もそう伝える事に。。。💧

全国津々浦々で、そういう場面が続々展開中でしょうね。


みなさまくれぐれもご自愛ください。

 

ー◇ー 

 

読書は、、

恵投いただいたこの展示図録。東御市梅野記念絵画館・ふれあい館 『青木繁坂本繁二郎と梅野三代展』です。

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展示は未見ですが、図録のコレクター座談会コーナーは、作品と地続きのロマンティシズムがほとばしっており、熱いです。

 

作者のプロフィールや属性、制作背景を全て取っ払って「絵そのもの」だけで価値を判断できるか。

 本質主義といいますか、今そういう考え方は人気がなくなってきました。

それでも、「わかるはずだ」という審美のロマンが、美術ファンを絵に向かわせてきたし、シーンを動かしてきたんだろうな、と感じ入りました。

 

青木繁関係では梅野記念絵画館が出している会報『アートの風』(100号)も読み応えが。

 コレクターとして有名な梅野満雄と梅野隆、梅野亮(この方は画家)の三代。初代・梅野満雄は特に青木繁のコレクターとして著名ですが、この梅野・青木・坂本繁二郎は同郷(久留米の名善校)の文芸愛好グループ出身で、上京後も強い友人関係にあったらしい。

梅野満雄は、学部論文で、日本ではじめて(!)のラファエル前派の研究をしたとのことで、青木、坂本3人共有の探求テーマに重なっていく。この「結社」という濃い影響関係の下で、青木繁の作品は成立していったとのこと。(p3、岡部昌幸「眼の力ー梅の家三代の情熱とロマン」より)

ちなみにこの3人組を梅野満雄は「三友の輪」と呼んでいたらしい。コレクターとして青木繁の作品を押し上げただけでなく、坂本繁二郎にアトリエも建ててやったとか。思想や生活も支えていたんですね〜。

にもかかわらず、図録では「美術史では抹殺されている」なんて話が出てましたね。(p17)

興味深いです。

 

ー◇ー 

 

あとはKindle本で。 

哲学入門 (ちくま新書)

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内容はいわゆる「哲学入門」ではない、そして分析哲学入門でもそんなにない。。。

この人の文体はいやにざっくばらんで、気が滅入った時には読みたくなります!

 
このミリカン「目的論的意味論」っていうのは人が意味を読み取る行為の過程(そういえば、私は昔からチャールズ・サンダース・パースが好きだなあ。。)、じゃなくて意味するモノ側の表象過程(って言ったらいいのか?)を考えるものなんですね。

私は何かモノを見て勘違いするかもしれないけれど、モノはそのモノとしてちゃんとある。よな。唯物論深ぇ。

 

新版 論文の教室 レポートから卒論まで (NHKブックス)どれだけお世話になったことか。

1%の努力

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  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 2ちゃんねるの人、こんなにたくさん自己啓発本の著作があるんですね!はじめて読みました。啓発本マニアとしては読んでおかないと、、、