画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

哲学科の院生になっちゃった。。/ 人人会 @豊橋美術博物館

先日の「人人展」@羽黒洞、皆様のご支援・ご協力により無事開催できました。感謝申し上げます。これからしばらく展示はありません。今年は秋から、たくさんの展示が予定されています。頑張らねば。

コロナ禍のGW明け、いかがお過ごしでしょうか。私は作業が思ったように捗らないことが多かったので、遅れを取り戻すべく必死にやっています。版画制作=肉体労働ですので、30代半ばにもなって朝から晩まで制作すると、身体へのダメージもハンパないです。アーメン。

 

表題にありますとおり、実は縁あって、とある大学院の哲学科に通う(今、オンライン授業ですが)ことにしたので、少々バタバタしていました。

 

30代半ばの子持ち女。しかも実は中学くらいから不登校 & 高校中退であり、人生のほとんどを「中卒」として生きてきた奴なので、なかなか奇妙・予想外な巡り合わせ。

ちゃんと勉強するつもりなら、もうちょっと真っ当に生きていたかもしれないのにな……とも思いますが。でも、真っ当に生きれなかったからこそ哲学本が好きになったのかもしれないなあ。

 

普通の学生と同様の入試を受けなければならなかったので、英語の長文訳の勉強をしました。実は私、高校受験も大学受験もしたことなかった(!)ので、受験勉強自体が初体験でした。とはいえ、日がなゴロゴロしながらバートランド・ラッセルの原著をひたすら楽しく読む日々。天国すぎた。

 

ゴロゴロラッセル。和訳で参考にしたものは高村 夏輝訳、哲学入門 (ちくま学芸文庫)です。The problems of〜というタイトルのものは、基本的に「〇〇入門」と訳すらしく、たまに中を読むと「ぜんぜん入門じゃねーな!ムズすぎ!」となる翻訳本もあります。これはどうかなあ。一般向けなんですが、いわゆる「認識論」にまったく疎かったら読めないのかもしれない。

 

The Problems of Philosophy (English Edition)

The Problems of Philosophy (English Edition)

 

 

 

 英語の問題集とか洋書も、Kindleで安いし、原著は著作権が切れていて、タダのものもいっぱい。ジンメルも。。こんないい時代にドイツ語ができないなんて、ねえ💧もったいない。

 

Schopenhauer und Nietzsche (German Edition)

Schopenhauer und Nietzsche (German Edition)

 

 

ともあれ、作った研究計画書と共に、試験もパスできてよかったです。 

 

 絵の制作をはじめてから約20年、1ヶ月まったく絵を描かなかったのは初めてでした。今になって思い返すと、その不協和によく耐えられたな!と思います。

現在はちょっとでも作品制作がうまくいかないと、そこはかとない焦りに見舞われ、夜に酒を飲みすぎてしまう日々に逆もどりです。何だったんでしょう、あの日々は。

 

 

 

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私が所属していて、調査もしている「人人会」の創立メンバーを扱った企画展が、豊橋美術博物館で開催中とのことで、こんなご時世ですが行ってきました。

「人人会」は主に東京都美術館で活動している団体なのですが(それはそれで社会運動に関わる深い理由があるんですが)、実は関西圏にとても縁が深いんですね。1974年の創立時は日本画家の中村正義、星野眞吾など、愛知県にゆかりのある作家も在籍していましたし、現在活動しているメンバーで、ここの主任学芸員だった方(!)もいらっしゃいます。

 

新収蔵品も交えたコレクション企画。新収蔵は丸木位里丸木俊の作品のようでした。ほとんど作家の作品が「第1回人人展」のものなのですが、この二人の作品だけが「第1回東京展」のもの。この二人が出品していたのは京都展、「第2回人人展」からで、第1回は不参加だったんです。

 

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hitohitokai.org

メインビジュアルが佐熊桂一郎。この作品は、佐熊先生の中でもかなり力の入った、まさに「エース級」のものだと言っていいでしょうね。スクエアキャンバスが強い!

 

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立派な展示です。撮影NGでしたが、ギリギリ許されたショットを掲載いたします。遠くに星野眞吾が見えるう。

 

車で片道3、4時間、合計8時間近く運転。一人ではちょっとキツい距離でした。

しかも帰路の東名高速で、たいへんな嵐 & 事故渋滞に見舞われ!背中と腰に大ダメージをくらいました。

 

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業苦戦。。。