画家の死後:内藤瑶子の生前日記

自称絵描き|内藤瑶子のナイトー自身による、活動報告のブログです。/ 東京近辺で活動中。詳しいことはhttp://yokonaito.info/へ。

内藤瑶子個展「MORTALS」10月26日(月)より開催します〜!東京・八重洲 T-BOXにて

内藤瑶子展「MORTALS」
◉2015年10月26日(月)~10月31日(土)
◉11:00~19:00, 最終日は16:00まで
◉30日(金)18:30〜演奏を含めたレセプション「波の会vol.9」を行います。是非お立ち寄りください!
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「mortals | 死すべき者」
どんなに際立った存在であろうとしても、逆に周囲に溶け込もうと努力を重ねても、こんなにも他人を必要としまう。
もし、死後に土や塵のような ものになって、他のものと同質化してしまうとしたら、その静けさは本望と考えて良いのではないだろうか。
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◉コラグラフ版画に手彩色、モノタイプ作品を展示いたします。
◉会場:
東京・八重洲 T-BOX http://www.tbox.co.jp/ 〒104-0028 東京都中央区八重洲 2-8-10松岡八重洲ビル3F TEL/FAX: 03-5200-5201
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銅版画にしようと思ったのですが、最近は銅が高騰!
色々と試行錯誤の末、プラスチックやジェルメディウムなどで作る「コラグラフ」で制作しています。
「コラグラフ」は他にもメゾチントのように黒い面をベースに白く描画するネガティブ・ドローイングや、シルクなどと併用して写真製版のようにすることもできます。他にも樹脂などでソフトグランドのようにしたり…
と、要するに銅版画で使用するような薬品を取り揃えなくても、多様な凹版画を作る事ができます。
一点ものを展示する予定ですが、これは私のこらえ性がないだけで(^^;;)、通常はかなりの枚数刷る事ができます。
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キョーコーサイケツ!/近々行けた展示

昨日は安全保障関連法案、強行採決されてしまいましたね。
政治の話題は避けるのが通例だとは思いますが、とても重要なことだと思います。せっかくブログがあるもんで、ちょっと意見を書こうと思います。
国会などでキチンとした答弁をしない政府には、つねづね腹が立っていた。今回だって、内容から手段まで、色々な人が問題点を指摘しているにもかかわらず、本当に傲慢なことを言っている。これはなんとかせねばなりません。 罪に問われなければ、制度に反していなければ何やってもいいのか?それが立法する現場で起こるということは本当ジレンマ。
しかし、今回のことに意を唱える=戦争反対、平和主義というのは個人的にはどうかと思う
そもそもこのご時世、国際紛争などに無関与でいられるのだろうか。
でも、この調子で憲法改正の議論になるのは恐すぎるだろ。。 私の政治的立場は、出身・在住を見ると詳しい人ならわかるかも?中道ですが、小選挙区でまず迷うことはありません。
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近々のだけですが、行けた展示!
🔸東京ステーションギャラリー没後30年 鴨居玲展 踊り候え 出品作は自画像ばかり。病弱で夭折で自死。最近ではあまり見かけなくなった「〈苦悩の〉画家」タイプ、迫力あります!
まさにデッサン魔、3D感は見どころだと思います。展示を見て納得。 しかし何を隠そう、自分も鬱病で高校をやめたクチなので、同じようなイメージをもって勘違いされてしまうことがあります。 逆に(旧来型)鬱病の人は、自分のしんどさを表現する事を苦手とするように思います。自分もキホン引っ込み思案なので、本当に作家活動にむいているんだろか‥w あ、今は元気です。 7月20日(月・祝)まで。
🔸原美術館『サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡』 紙の作品とのことだったので、もしかして以前から持っていた『Cy Twombly: Fifty Years of Works on Paper』の作品が来るのかな?とピンときました。この画集はとても気に入っていたので、うれしかった!実物を見て驚きました。思っていたよりずっと「絵」っぽい。 Kindleで再発された『モダニズムのハード・コア―現代美術​批評の地平 批評空間』で予習し(私も買って読みました!)、中庭でコーヒーでもすすれば、なおのことオシャレ。 週末だったので、あいにく満席でしたが。
🔸会期終了しましたが、ギャラリー枝香庵「佐藤温展」 佐藤温さんの展示、はじめて拝見できました。お世話になっている共通の知人がおり、話をよく聞いていました。もっと荒々しい絵を予想していたのですが、精緻なものでした。
🔸みうらじろうギャラリー井村 一巴 個展 "physical address"にも行くことができました。
最終日だったので、狙っていた作品はすでに売約済み。ほんとに美しかった。。(T_T) 9月に予定されているという個展は早めに行きたいです!
🔸そのほか、本を売却する際にとてもよくして下さる古本屋ユニット読ス yomsが3331にあるisland MEDIUM「にじいろ百貨店」に出店されていました。9月6日まで。勝手に売った親父の本がありました。(^^;)
『全感覚5』『全感覚3』など買いました。
↓1日の戦利品とトゥオンブリ画集。↓
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有識者の噂によれば、東京藝術大学大学美術館「ヘレン・シャルフベック――魂のまなざし」もおもしろい展示とのこと。時間を見つけて行きたいものです。

「毎日メディカルジャーナル(MMJ)」6月号の表紙に!なりました。

先日制作した、パークホテル東京「鯉の部屋」の写真が、「毎日メディカルジャーナル(MMJ)」6月号の表紙になりました! 「毎日新聞社が2005年に創刊した医学総合誌」だそう。内容を拝見するも専門的な雑誌のため、私にはチンプンカンプンですが、とても喜んでおります。どうぞ御贔屓に!

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また、お世話になっているモリス高橋さんの「表紙のカルテ」というコラムにて素敵に紹介、また「絵巻物」というキーワードにも触れていただきました。

「ホテルにとっても『美』との新しい付き合い方を模索した結果、個に対して濃い密度の『美の空間』を提供したことは経営的に見れば冒険である」(※p176コラム文中より)

ホテルの方々の気風の良さが、このプロジェクトの盛り上がりを大きく支えているように感じていました。確かに、それは経営的な成功があってこそのもの。考えれば「経営」と同じように、「作品」にも「勝利の方程式」というものがありません。作家も冒険者として「こうするべきだ」という正解に縛られず、多様なお部屋が生まれているのではないでしょうか。

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最近は暑くなってきましたね。息子も元気に2歳。毎日水浴び!

いろいろ作業もたてこみ、ワーキングマザーよろしく一丁前に時間困窮に陥ってます。

作品のほうは、11月に予定している個展に向けた制作をし始めようとしているところ(つまり、未だ何もできてない。。)銅版画をやろうと思ったのですが、銅が高騰しており迷い中。。

Artist in Hotel:ホテル制作、その後/仙人。

遅ればせながら、先日製作しておりましたArtist in Hotel「鯉」の部屋が、パークホテル東京のサイトにて掲載、稼働し始めたようです。制作中の写真やら「アーティストメッセージ」なるものまで記載され、小っ恥ずかしいというか、なんか心配(ノーメーク…)。。

サイト→http://www.parkhoteltokyo.com/artcolours/aih.html

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=Ph4BJeS_fCQ&w=560&h=315]動画。なんか自分で感動しちゃった…💣💥プロのカメラマンさんの技がすごすぎる!

関係者の方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。m(__)m

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初めての「客室まるごとの装飾」。はじめは緊張で、ずっと息が臭かったです。大汗。リラックスできる「ホテルの客室」という機能は残したいと思っていたので、わりにアッサリしています。それゆえ、自分のアピール度はこれでいいのかなぁ…というジレンマもありました。ほとんど外国からのお客様とのこと。楽しい日本の思い出になってくれればいいな!と願うばかりです。

31日の読売新聞(全国版だって!すげい)に、この企画の記事が掲載されていました。10年以上お世話になっている、人人会の大パイセン成田朱希さんの部屋と、制作中に大変お世話になった水口和紀さんが載っています。私は掲載には至らず残念!

◉ちなみに人人会のホームページ、目下製作中です。

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鯉に子供が乗っている図ですが、沢山の方が「浦島太郎?」と思われたようです。

水墨画などで鯉に乗っているのは、「琴高仙人」。右の山や岩も、実は仙人の住む桃源郷、蓬莱島などからイメージしました。(ちなみに浦島太郎も、ルーツは中国の神仙思想とされているんですよね。竜宮が、実は蓬莱山の変容だとか。http://homepage1.nifty.com/miuras-tiger/ryugu.html 偶然!)

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しかし「仙人」。本来ノホホンとしたおじいさんではありません。仙人になること(主に不老不死)を目的とした考え方を「神仙思想」とするのですが、その方法は怪しさ・エロさ・グロさ、三拍子そろって密かにマイブームです。さすが中国4000年の歴史。

と、ここで色々と魅力について力説したかったのですが、神仙や道教についての情報はネットにあまり見当たりません…気軽に紹介できなくて残念。そういや、私に道教を教えてくれた先生(下の本、おもしろいですよ!)によれば『封神演義』というマンガがあると。原作も未読ダナ。

それにしても、巷の通説には、仙人メソッドエロ部門がゴッソリ抜けていますね。房中術。この説明が一番フツウだと思います:https://kotobank.jp/word/%E6%88%BF%E4%B8%AD%E8%A1%93-132297

「気」の思想から見る道教の房中術―いまに生きる古代中国の性愛長寿法 (心と教養シリーズ) 「気」の思想から見る道教の房中術―いまに生きる古代中国の性愛長寿法 (心と教養シリーズ) 坂出 祥伸 梅川 純代by G-Tools

少年ジャンプで紹介できるのかなw。

平凡社の『哲学事典』などでは、「神仙説: 古代中国に流布された迷信信仰の一つ」とされてますね。冷たいナァ。医学的(という表現でいいのかわかりませんが)に発展した側面もある思うので、信仰としてしまうと苦しいですね。

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そういえば忙しかった期間、展覧会ステートメントや美術に関するテキスト(しかもみんなムズイ)を読む機会がありました。

東アジアが日本の文化芸術に与えた影響は計り知れないと思うのですが、いわゆるセイヨウな理論・法則とか、西洋東洋(日本)をザクッと対比させて話をする人は多くとも、中国の話は単語すら皆無でしたね。まさに近くて遠い国。もはや子供を連れて観光するのも気がひけるほど遠い国。

世界遺産とか行ってみたい!息子が小学校になるころには空気も良くなっているといいなぁ〜

神田日勝記念美術館(北海道鹿追町)で、人人展(从展)の移動展明日からです〜

酔っぱらった人人会のボス、G氏から電話にて「オマエのことだから、展示があること忘れてるだろ?」と言われましたが…忘れてません!どういうキャラ?(笑)

明日から北海道の鹿追町にある神田日勝記念美術館で、人人展(从展)の移動展がはじまります。

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  • ◆「从展ー鹿追展」 中村正義によって「自由な創作活動を希求する個々の作家とその連帯に支えられたグループ活動」と語られた異色画家集団の移動展。
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2015年4月29日(水)〜5月10日(日)
  • 10:00~17:00
  • 会場:鹿追町民ホール ホワイトホール
  • 会期中無休・観覧無料

北海道 鹿追町 神田日勝記念美術館 http://kandanissho.com/ 詳細はこちらを参照しました↓ http://kandanissho.com/schedule/

公募団体「水彩人」さんとの合同展と伝え聞きましたが、DMによると人人会は「鹿追町民ホール、ホワイトホール」が会場となっています。Googleの航空写真を見ると、どうやら同じ敷地にある棟のようです。ちなみにストリートビューでは凄く豪華な所に見えます。気になってサイトを見ていると、総工費四億円…。。すげい。 神田日勝(70年に亡くなっています)の作品が教科書に載っていたことをよく覚えています。調べてみると、作品は北海道に集中している様子。現物を見た記憶はないような…見に行けるかな〜?

個展終了しました。雑感など。

パークホテルのアーティストルーム制作、個展の会期と怒濤の数週間でした。いろいろと終了し、安心して風邪ひいてます(いつも通り)。来ていただいたお客様と、サポートしていただいた皆様に感謝申し上げます。 ホテルの部屋の販売はこれからです。宿泊するお客さんに喜んでもらえると良いなぁ。
個展「Lunar Sexual」は、スッキリとした展示になり、自分でも新鮮でした。
↓携帯のカメラ映像ですが(搬入時なのか?なんか余計なものも入ってるな…)↓
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この展示は美学校が主催するアートイベント「ギグメンタ」の一つの企画とされるのですが、コンセプトや以前の記録などを見ると、「Alternative Gallery GIG !!:オルタナティブなギャラリーが若手アーティストの展覧会を企画開催する」という内容を引き継いだもの(?)という印象。 意義のあるもので、またそもそも美学校の関係者ではない私が企画されるのを不思議がる声も聞かれたので、さらに何らかの説明できたら良かったかな?と思いました。お客さんは表現活動に携わっている人が多い様子で、ライバルを偵察しにくるような、妙にピリっとした緊張感が印象的でした。私が今までしてきた展示とはちょっと違う雰囲気の展示で、刺激的で良かったです。 他にも積極的な企画が多く「ヘェ〜ハァ〜」とただただ受け身になってしまい、アゲアゲな向上心を持てない自分をついつい相対化してしまうのでしたが…。。結局のところは絵にこだわりたいんだな、という自分の熱意のありかに気づいて前向きになった部分もありました。
「Lunar Sexual」の元ネタである「アンドロギュヌスの逸話」はプラトンの対話編『饗宴』の文中で、アリストファネスという喜劇作家が演説する部分に出てくるもの。ガチゴチのギリシャ哲学だと眉間にシワをよせて読むようなものではなく、むしろちょっとクスっと笑ってしまうような滑稽さと愛らしさを持った話です。 ほんとに味わい深い話!文章の方がディティールをつかみやすいのですが、この動画↓のキモかわいさ、個人的にけっこう共感できます。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=4paSMqKYXtY&w=420&h=315]教科書的には、「人間はもともと不完全なものであり、ゆえに完全なもの(真善美)を求めるのだ云々〜…」という比喩として、美術な思想に結びつけられいたりするようですが、自分は単純に人が繋がったり一体化したりすることがなんか面白いです。 「つながる」というのが、SNSでつながる、とか流行の「絆」ということでなくて、クラブで酔って踊っているときの一体感とか、スゴイ映画を見た時に感じるリアリティとか、感激した時に自分の存在が消えてしまうような感覚、なんか没頭したい感じが最近妙に気になります。
なんか欲求不満なのか?w 酔ってスーフィ(ズム)マネしたりして怪我しないようにしようね!

個展「Lunar Sexual」4月3日(金)〜@HIGURE 17-15 cas 2F(日暮里) だよ!

ホテルでの制作がはじまっています。 色々と別件もあり、ほんとうに×2忙しいので、当初のコンセプトである「ホテルライフを楽しみながら」という滞在制作ができているかは…。。よくよく考えれば難しい作業ですし、作家の間では追い込まれ過ぎて「だんだん頭オカシクなってきそう」というのが裏の(?)噂でもあります。(掛け値なしにホテルは素晴らしい所です!)

さて、もう来週に迫った個展の告知をしたいと思います。 概要は下記になります。

Yoko Naito 内藤瑶子 Lunar Sexual ルナセクシュアル 日 程:2015年4月3日(金)〜14日(火) [会期中休み無し] 時 間:月曜〜金曜17:00〜20:00/土曜、日曜13:00〜19:00 会 場:HIGURE 17-15 cas 2F(東京都荒川区西日暮里3-17-15) 企 画:TANA Gallery Bookshelf 協 力:HIGURE 17-15 cas lunar
「ルナセクシャル」展は内藤の多岐に渡る技法と主題から特にアンドロギュヌス(両性具有性)をモチーフとして扱った日本画作品に焦点を当てています。内藤が作品の着想を得たプラトンの『饗宴』では、人間が魂の半身を求める根源的な衝動を男性の象徴である太陽と女性の象徴である地球の間を永遠に彷徨い続ける月になぞらえて語っています。内藤は日本画という分野の伝統から逸脱しつつも日本画の画材を活用し、激しい筆致で画面中に垂れや滲みを創り出しながら、人間がその半身を求める情動を書道のような躍動感と抽象性で描き上げます。
(TANA Gallery Bookshelf, http://tanagallerybookshelf.com/index.html#YOKO より、英語だとよくわかんないので訳してもらいました!)
美学校「ギグメンタ2015」に関連した、TANA Gallery Bookshelf(以後棚)企画の展示です。 私は美学校の卒業生というわけではなく、たまにイベントにお客さんとして行くような感じです。また、棚の方は私企画のイベント「波の会」を一緒にやってきていたりしていて、旧知でしたが、絵で関わるのは初めて。(追記:初めてじゃないや、美学校 ANNUAL REPORT『SUPERBODY』だった!失礼!) 2013年にギャラリーT-BOXの個展で発表した「ANDROGYNOUS」というドローイングシリーズなどを気に入っていただいたようで、大型なドローイングを展示してみないかとのお誘いでした。プラトンの対話編『饗宴』(本当に大好きな作品!)の内容をモチーフにした作品群で、いろいろとウンチクはあるのですが時間の関係もあるのでまた今度。(なかなかこういう話を聞きたがる人もいませんが) なかなか大型なドローイング作品を展示したがる画廊やギャラリーは少なく、また思い入れもあったシリーズだったので、若干ヘビーなスケジュールでしたが、頑張って作ってみました。 是非見にきてみてくださいね。 上下二階で同時開催しているので、一階ではナガタニサキさんという作家さんの展示も見られるようです! ※運営側の事情で、平日は夕方(17:00~20:00)のみの開廊となっております。ご注意下さい。 ※「波の会」は今回は棚の方がメインで企画しているのですが、まだ色々と未定です。とりあえず我々はいます。。 では、取り急ぎ。